第5話|さらに価格を2倍にしても、売上はほとんど変わらなかった

第5話|さらに価格を2倍にしても、売上はほとんど変わらなかった

最初の値上げによって、妻の働き方は大きく変わりました。

ココナラのサービス価格を約5倍にした結果、依頼数はおよそ半分になりました。
稼働時間も半分。

それでも売上は以前の約2.5倍まで増えました。

これまで鑑定に使っていた時間の一部を、ブログや新しい挑戦へ回せるようになった。
数字だけでなく、生活にも明らかな変化が出始めていました。

聖(ひじり)

前よりかなり楽になったね

しょーが

うん。少なくとも、仕事だけで一日が終わる日は減ったと思う

聖(ひじり)

ブログのことを考える余裕も出てきたし

しょーが

じゃあ、理想どおり?

聖(ひじり)

理想どおりと言われると……まだ少し違うかな

最初の値上げは、間違いなく大きな改善でした。

それでも、妻が思い描いていた働き方が完全に実現したわけではありません。
依頼数は減ったものの、忙しい時期には鑑定が重なります。
ブログへ使う予定だった時間を、ココナラの対応へ回す日もありました。

一度余白が生まれたことで、今まで見えていなかった次の課題が見えるようになったのです。

目次

売上が増えたから、もう十分なのか

最初の値上げ後、ココナラの売上は大きく伸びました。

普通に考えれば、十分な成果です。
私たちも、最初はその状態でしばらく運用を続けました。

妻も以前ほど疲れていない。
売上も増えている。
ブログへ使える時間も少しずつ生まれている。

それなら、これ以上変える必要はないようにも思えます。

しかし、私たちが最初に決めた目的は、売上を増やすことではありませんでした。

妻が新しいことへ挑戦できる時間を作る。
無理なく占いの仕事を続けられる状態を作る。
夫婦で事業を育てていく余白を作る。

そこから逆算すると、まだ調整の余地があるように感じました。

しょーが

売上はかなり増えたけど、時間の使い方はどう?

聖(ひじり)

前よりはいいよ

しょーが

ブログの予定が、鑑定で潰れることは?

聖(ひじり)

まだあるね

しょーが

休みの日に仕事をすることは?

聖(ひじり)

それも、たまにある

しょーが

じゃあ、売上は改善したけど、働き方は完成してないね

聖(ひじり)

また値上げしたそうな顔をしてる

しょーが

まだ提案してないよ

聖(ひじり)

その言い方は、これからする人の言い方なんだよ

最初の値上げで分かったことがあります。

価格を上げても、妻のサービスを必要としてくれる人はいる。
依頼数が減っても、売上が必ず減るわけではない。
客数を減らすことによって、サービス品質や生活の余裕を守れる。

その経験があったからこそ、私たちはもう一段階の調整を考えられるようになりました。

一度成功した後の方が、怖かった

最初の値上げ前、妻は、

「誰も来なくなったらどうしよう」

と不安を感じていました。

結果として、その心配は現実になりませんでした。

価格が上がっても購入してくれる人が残り、売上も増えました。
だから、二度目の値上げは簡単に決められそうにも思えます。

しかし実際には、最初より迷いました。

聖(ひじり)

今でも、前よりかなり高くなってるよ

しょーが

そうだね

聖(ひじり)

ここからさらに上げたら、さすがに高すぎない?

しょーが

その可能性はある

聖(ひじり)

前回より慎重だね

しょーが

今回は、明らかに安すぎる状態からの値上げではないから

最初の価格は、需要と稼働のバランスから見て明らかに低すぎました。

常に満枠。
枠を開ければすぐ購入される。
長い時間を使っているのに、売上との釣り合いが取れていない。

価格を見直す理由は、かなり明確でした。

しかし、一度目の値上げ後は違います。

以前より適正な状態に近づいている。
そこからさらに価格を上げるのは、単なる修正ではなく、新しい価格帯へ踏み込む判断です。

今の売上を失うかもしれない。
依頼が大幅に減るかもしれない。
これまで残ってくれた購入者まで離れるかもしれない。

最初の値上げで得た成果が大きかったからこそ、それを失う怖さもありました。

聖(ひじり)

今の状態でも、十分うまくいってるよね

しょーが

うまくはいってると思う

聖(ひじり)

だったら、このままでもいいんじゃない?

しょーが

売上を基準にするなら、このままでもいいと思う

聖(ひじり)

売上を基準にするなら?

しょーが

生活を基準にすると、もう少し調整してもいいかもしれない

価格は、売上だけで決めるものではない

商品価格を考えるとき、多くの場合は、

  • いくらなら売れるか
  • 競合はいくらか
  • 利益はいくら残るか
  • 購入者に高いと思われないか

といった基準を使います。

もちろん、どれも重要です。
しかし、私たちはもう一つ別の基準を加えました。

その価格で働いたとき、どんな生活になるのか。

たくさん売れる価格でも、毎日仕事に追われるなら、妻が望む生活にはつながりません。

売上が最大になる価格でも、ブログや旅行、夫婦の時間がなくなるなら、私たちにとって最適とは限りません。

少し売上が下がったとしても、時間と心に余裕が生まれるなら、その方が良い場合もあります。

しょーが

今の価格で、毎月どれくらい依頼を受けたい?

聖(ひじり)

今より少なくてもいいかな

しょーが

売上が少し下がっても?

聖(ひじり)

ブログをちゃんと進められるなら、それでもいいと思う

しょーが

だったら、次は売上を増やすためじゃなく、
客数を減らすために価格を調整してみようか

聖(ひじり)

価格を上げて、お客さんを減らすって、
やっぱり不思議な感じがするね

しょーが

仕事を増やしたい人には合わない考え方だね

聖(ひじり)

私は今、仕事を増やしたいわけじゃないもんね

この会話で、二度目の値上げの目的が明確になりました。
もっと稼ぐことではありません。

今の売上をできるだけ守りながら、さらに稼働を減らす。
生まれた時間を、ブログや新しい事業へ使う。

価格は、売上を最大化するためではなく、理想の生活を作るための調整弁として使う。
そんな考え方でした。

さらに価格を約2倍へ変更した

私たちは、サービス価格をさらに約2倍へ変更することにしました。

最初の価格と比べると、かなり大きな変化です。

聖(ひじり)

これ、最初の頃に見たら自分のサービスじゃないと思うかも

しょーが

最初の値段から考えたら、かなり変わったね

聖(ひじり)

お客さん、来るかな

しょーが

今回は本当に減るかもしれないね

聖(ひじり)

前回も同じこと言ってた気がする

しょーが

今回は前より分からない

聖(ひじり)

急に心細くなることを言わないでよ

価格を変更したあと、依頼数は再び減りました。
以前の価格で利用していた人の中には、購入しなくなった人もいました。

受付枠がしばらく空いていることも増えました。

聖(ひじり)

本当に減ったね

しょーが

うん

聖(ひじり)

今回は、少し上げすぎたかな

しょーが

まだ売上と稼働を見ないと分からない

聖(ひじり)

またその話?

しょーが

客数だけを見て判断しないって、前回も決めたからね

購入通知が少なくなると、不安になります。
値上げ前より静かな状態が続くと、何か間違えたように感じます。
しかし、依頼数が減ることは今回も目的の一部でした。

大切なのは、その結果として売上と生活がどう変わるかです。

客数は半減。それでも売上は落ちなかった

一定期間が経ったところで、再び数字を確認しました。

依頼数は、およそ半分まで減っていました。
一方で、売上は値上げ前とほとんど変わりませんでした。
時期によっては、わずかに増えている月もありました。

聖(ひじり)

依頼はかなり減ったのに、売上は変わってないね

しょーが

単価が約2倍だからね

聖(ひじり)

また計算どおりになった

しょーが

きれいに半分になったのは偶然だと思うけど

聖(ひじり)

そこは夢を持たせてよ

客数は減った。
それでも売上は維持された。

つまり、以前より少ない件数で、ほぼ同じ売上を作れる状態になりました。

一件ごとの鑑定に、より落ち着いて向き合える。
受付枠をすぐに開け直す必要もない。
予定していたブログの時間を守りやすくなる。
休む日に、仕事を入れずに済む。

数字上の売上がほとんど変わらない一方で、妻の生活には確かな余裕が増えていきました。

客数が減ることは、失敗なのか

事業では、顧客数が増えることを良い変化として扱うことが多いです。

利用者が増えた。
問い合わせが増えた。
販売件数が伸びた。

数字が増えれば、成長しているように見えます。
反対に、客数が減れば、不調や失敗と感じやすい。

しかし、提供できる時間に限りがある個人サービスでは、客数の増加が必ずしも良いとは限りません。
一件増えるたびに、提供者の仕事も増えるからです。

特に妻のように、一人ひとりの相談へ時間をかけて向き合う仕事では、際限なく依頼を増やすことはできません。

しょーが

客数が半分になったけど、どう感じる?

聖(ひじり)

最初は不安だったけど、今は前よりいいと思う

しょーが

売上はほとんど変わらないしね

聖(ひじり)

それもあるけど、急いで鑑定しなくていいのが大きいかな

しょーが

依頼が減って、困ってはいない?

聖(ひじり)

むしろ、ちょうどいいかもしれない

私たちにとって、客数が減ることは失敗ではありませんでした。

限られた時間の中で、本当に必要としてくれる人に落ち着いてサービスを届ける。
その結果として、妻自身も無理なく働ける。

客数ではなく、売上、稼働、品質、生活を含めた全体で判断すれば、以前より良い状態です。

妻が受け取る相談も変わっていった

価格を大きく見直したことで、依頼数だけでなく、相談者との関係にも少し変化がありました。

購入前にサービス内容をよく確認する人が増えました。
何を相談したいのか、ある程度整理してから依頼する人も増えました。
妻の鑑定を受けたいという理由が、以前より明確な人が残っているように見えました。

もちろん、価格が高い人ほど必ず相性が良いわけではありません。
高い価格を払ったからといって、すべての依頼が簡単になるわけでもありません。

それでも、低価格だから気軽に試してみるという購入は減り、

「妻に相談したい」

という意思を持って来る人の割合は高くなったように感じます。

聖(ひじり)

前より依頼は少ないけど、一件一件に落ち着いて向き合えるね

しょーが

その方がサービス品質も守りやすいと思う

聖(ひじり)

値上げしたら、もっと品質を上げないといけないと思ってたけど

しょーが

前より余裕を持って対応できるなら、
結果的に品質は上がってるかもしれないね

聖(ひじり)

内容を増やすだけが品質向上じゃなかったんだね

値上げ前、妻は価格を上げるならサービス内容も増やさなければならないと考えていました。
しかし、実際には提供内容を増やすのではなく、余裕を増やすことによって品質を守りやすくなりました。

疲れ切った状態で多くの依頼へ対応するより、少ない件数へ丁寧に向き合う。

それもまた、サービス品質を高める一つの方法です。

売上を増やすより、選択肢を増やしたかった

二度目の値上げによって、ココナラの稼働はさらに軽くなりました。

売上は維持から微増。
依頼数は半分。

そして妻には、以前より多くの時間が残るようになりました。

この時間を、すべて休息に使ってもよかったと思います。
忙しい状態が長く続いていたのだから、何もしない日が増えるだけでも十分な改善です。

しかし妻は、生まれた余白を使って、新しいことに挑戦し始めました。

ブログの記事を考える。
旅行の記録を整理する。
夫婦で今後の事業について話す。

そして、これまで別の場所で培ってきた電話占いの経験を、
ココナラでも展開できないか考えるようになりました。

聖(ひじり)

ココナラでも、電話で相談を受けられるんだよね

しょーが

電話相談サービスはあるね

聖(ひじり)

今までの電話占いの経験を、そのまま使えるかな

しょーが

そのままではなく、ココナラ向けに設計し直す必要はあると思う

聖(ひじり)

また設計?

しょーが

価格を変えるだけより、今度は考えることが多いよ

聖(ひじり)

楽しそうだね

しょーが

聖より私の方が楽しんでるかもしれない

価格を上げ、客数を減らし、時間を作る。
それは、仕事を縮小するためだけの取り組みではありませんでした。

新しい選択肢を作るための準備でもありました。

一つの商品を忙しく提供し続ける状態から、妻の技能を複数の形で届けられる状態へ。

私たちは次に、ココナラでの電話占いサービスを考え始めました。

次回は、妻が持っている電話占い師としての経験を、ココナラでどのような商品として展開するのか。
出品者の武器と、市場で求められていることをどう組み合わせたのかを書いていきます。


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