妻がブログに興味を持ったことをきっかけに、私たちは現在の働き方を一度整理してみることにしました。
ブログを始めるためには、記事の書き方やサイトの作り方を覚える必要があります。
しかし、それ以前に時間がありません。
新しいことを始めるなら、まず今の仕事のどこかに余白を作らなければならない。
そこで私は、妻が毎月どの仕事にどれくらい時間を使っているのかを聞いてみました。
電話占いには、だいたい月にどれくらい時間を使ってる?
待機時間も含めたら、かなり長いと思う
ココナラは?
ちゃんと数えたことはないけど、鑑定している時間だけでも結構あるよ
一度、ざっくりでも数字にしてみようか
怖い数字が出そう……
妻は冗談っぽく言いましたが、実際に整理してみると、なかなか重い数字が出てきました。
電話占いとココナラを合わせると、妻は毎月かなりの時間を占いの仕事に使っていました。
一般的な会社員の勤務時間と比べても、決して軽い稼働ではありません。
もちろん、個人事業なので毎日同じ時間に働いているわけではありません。
忙しい日もあれば、比較的余裕のある日もあります。
それでも月全体で見ると、妻の生活の大部分が占いの仕事で埋まっていました。
こうして見ると、私ずっと占いしてるね
うん。ブログを入れる場所がないね
やっぱり睡眠時間を……
そこは削らない方向で考えよう
新しいことを始めたいとき、最初に思いつくのは時間を増やす方法かもしれません。
早起きをする。
夜に作業する。
休日を使う。
移動時間を活用する。
しかし、すでに十分働いている人がさらに時間を追加すれば、どこかに無理が出ます。
私たちに必要だったのは、空いている時間を探すことではありませんでした。
今ある仕事の中に、減らせるものがないかを探すことでした。
電話占いとココナラを並べてみる
妻には、大きく分けて二つの仕事がありました。
一つは電話占い。
もう一つはココナラで提供しているヒーリングサービスです。
どちらも妻の占い技能を使う仕事ですが、提供方法は異なります。
電話占いは、相談者とリアルタイムで会話をしながら鑑定を進めます。
ココナラでは、相談内容を読み、適切なヒーリングを行い、文章として納品します。
同じ占いでも、仕事の進め方も必要な時間も違います。
私たちは、それぞれの仕事に使っている時間と、そこから得ている売上を並べてみました。
すると、一つの大きな違いが見えてきました。
電話占いは稼働時間が長いものの、妻の生活を支える大きな収益源になっていました。
一方、ココナラも毎月相当な時間を使っているのに、売上への貢献は電話占いほど大きくありませんでした。
もちろん、ココナラの売上が少ないわけではありません。
副業として見れば、十分な金額です。
しかし、使っている時間とのバランスを考えると、明らかに効率が悪い状態でした。
ココナラって、結構時間を使ってるよね
文章にまとめるから、どうしても時間はかかるかな
でも、売上全体で見ると、この時間の使い方は少し重くない?
言われてみれば、そうかも
妻は、これまでココナラの仕事を時間単位で考えたことがあまりなかったようです。
依頼が入る。
相談内容を読む。
必要な鑑定をする。
文章をまとめて納品する。
一つずつ目の前の仕事を終わらせてきました。
それぞれの依頼にはきちんと向き合っていましたが、
月全体で見たときに、その仕事がどれくらいの時間と売上を生んでいるのかまでは整理していませんでした。
これは、個人事業では珍しいことではないと思います。
売上は確認していても、そこへ何時間使ったかは正確に数えていない。
依頼件数は把握していても、一件あたりの負担は感覚でしか分からない。
忙しいから仕事は順調だと思っていたけれど、実際には時間ばかり使っている。
妻のココナラも、その状態に近づいていました。
売れていないことが問題ではなかった
ココナラのサービスが売れていなければ、改善すべきことは比較的分かりやすいです。
商品説明を見直す。
サムネイルを変える。
相談者のニーズを調べる。
提供内容を分かりやすくする。
まず購入してもらうための改善が必要になります。
しかし、妻の場合は違いました。
サービスは常に満枠でした。
受付を再開すれば、すぐに購入される。
特別な宣伝をしなくても依頼が入る。
リピーターもいる。
評価も積み重なっている。
つまり、集客には困っていませんでした。
売れない原因を探す必要はなさそうだね
うん。むしろ、開けるとすぐ埋まるから困ってる
それなら、問題は売れないことじゃない
じゃあ、何が問題なの?
売れすぎる価格になってることじゃないかな
売れすぎる価格?
妻は少し不思議そうな顔をしました。
商品は売れるほど良い。
依頼は多いほど良い。
客数は増えるほど良い。
一般的には、そのように考えます。
しかし、提供できる時間には限りがあります。
一件販売するたびに一定の作業時間が必要なサービスでは、依頼数が増えるほど稼働も増えます。
商品を一つ多く売っても、ほとんど追加作業が発生しない事業なら、販売数を増やすことには大きな意味があります。
しかし、妻の鑑定は違います。
購入されるたびに、妻が実際に時間を使って対応しなければなりません。
販売数が増えれば、妻の仕事もその分だけ増える。
それなのに、一件あたりの価格が低ければ、人気になればなるほど時間がなくなります。
妻のココナラサービスは、まさにその状態でした。
満枠は成功の証拠であり、警告でもあった
常に満枠であることは、妻のサービスが市場から求められている証拠です。
占い師としての技能。
相談者との向き合い方。
これまで積み上げてきた評価。
そうしたものが購入者に認められているからこそ、受付を再開すれば依頼が入りました。
一方で、満枠状態が長く続いていることは、
現在の価格と提供可能な件数が合っていないというサインでもあります。
需要が、妻の提供できる量を上回っていたのです。
枠を開けたらすぐ売れるんだよね?
だいたいそうだね
それなら、今の値段で欲しい人が多すぎるんだと思う
多すぎるって、そんなことある?
あるよ。聖が対応できる人数より、買いたい人の方が多いんだから
商品に対する需要が提供量を上回れば、一般的には価格を上げる余地があります。
しかし妻は、長い間その発想を持っていませんでした。
依頼が多ければ頑張って対応する。
満枠になれば、鑑定が終わったところでまた受付を開ける。
そして、また依頼が入る。
この繰り返しです。
妻にとって、満枠は人気の証拠ではありましたが、価格を見直す理由にはなっていませんでした。
むしろ、
「待っている人がいるのだから、なるべく早く受付を再開しなければ」
と考えていたようです。
問題は妻の作業速度ではなかった
妻は、自分の仕事が遅いことを気にしていました。
もっと素早く鑑定できれば、ブログを書く時間も作れるかもしれない。
文章を短時間でまとめられれば、さらに依頼を受けられるかもしれない。
そう考えていたのだと思います。
しかし、私はそこが問題ではないと感じました。
妻はすでに、長年占い師として活動しています。
相談内容を読み解く力も、鑑定結果を言葉にまとめる力も持っています。
多少の効率化はできるとしても、作業時間を劇的に短くするのは難しいでしょう。
そもそも、相談者一人ひとりに向き合うサービスで、対応時間を削ることだけを目標にすれば、鑑定品質が落ちる可能性もあります。
必要なのは、妻がさらに速く働くことではありません。
一件の仕事に対して、適切な対価を受け取ることでした。
聖が遅いから忙しいわけじゃないと思う
でも、もっと効率よくできたら……
今より速く働くことを考える前に、
今の仕事の値段が合っているかを考えた方がいい
値段かあ……
妻の表情が少し曇りました。
このとき、私は初めて価格を上げる可能性について話しました。
しかし妻にとって、値上げは単なる数字の変更ではありませんでした。
今まで利用してくれた人が離れるかもしれない。
高い金額を受け取るなら、今まで以上に良い鑑定をしなければならない。
自分のサービスに、本当にそれだけの価値があるのか分からない。
さまざまな不安が一度に出てきました。
問題が価格にあることは見えてきた。
けれど、価格を上げると決めるまでには、もう一つ大きな壁がありました。
それは、
妻自身が自分の価値をどう見ているかという問題でした。
次回は、
「値上げするなら、その分だけサービス内容も増やさなければならない」
と考えていた妻に、私が何を伝えたのかを書いていきます。






